【必見】潮位・風向きで競艇はどう変わる?江戸川35パターン解説
今回は、水質そのものの違いではなく、潮位と風向きという「その日・その時間だけ変わる動的な条件」がレースにどう影響するのかを、公式情報を中心に掘り下げていく。
「この場は潮が効くから荒れやすい」「今日は向かい風だから展開が読みにくい」――競艇の実況や専門紙では、こうした表現が当たり前のように使われている。
水質(海水・汽水・淡水)の違いについては、すでに解説してある記事の全国24競艇場の特徴とプールの違い一覧で詳しく解説しているので、あわせて読んでおいてほしい。
潮位・風向きは競艇に
どう影響するのか
競艇は静かなプールの上で行われる競技だと思われがちだが、実際の水面は潮位と風向きによって刻一刻と表情を変えている。
BOATRACEオフィシャルウェブサイトと江戸川競艇場公式サイトの一次情報をもとに、潮位差・風向きがスタートタイミングやコース有利不利にどう影響するのかを整理していく。
なぜ「潮位」と「風向き」が舟券の生命線なのか?
出典:当サイト作成
追い風はイン有利、向かい風はまくりが効く――公式の基本セオリー
BOATRACEオフィシャルウェブサイトは、追い風の水面について「第1ターンマークに波がたまって水面が不安定になり、スピードをつけたターンが流れやすくなる」と説明している。
この条件下では、インコースが有利になるとされている。
一方、向かい風については「インの加速がつかず、まくり艇は風の抵抗を受けてサイドがかかり、スロットルレバーを握って回りやすくなる」と説明されている。
出典:BOATRACEオフィシャルウェブサイト「LEVEL.2 追い風ならイン、差し。向かい風ならまくりが効く」
つまり、向かい風では、外枠からのまくりが決まりやすくなるということだ。
「潮」は海水・汽水の競艇場だけの話ではない
潮位の影響を強く受けるのは、海に近い、あるいは河川を利用している競艇場に限られる。
すでに解説してある記事の全国24競艇場の特徴とプールの違い一覧で確認した通り、全国24場は水質で海水10場・汽水5場・淡水9場に分かれるとされているが、同じ水質グループでも潮位差の大きさは場ごとにまったく異なる。
海水・汽水だからといって一律に潮の影響が大きいわけではない。
「水質」と「潮位差」は別の軸で見る必要がある
水質という静的な分類と、潮位差・流速という動的な条件は別の軸として扱ったほうが、実際のレース展開に近づける。
まずは、自分がよく買う競艇場が「潮の影響を受けるかどうか」を知っておくことが第一歩だ。
江戸川・福岡・浜名湖あたりは特に意識しておいてくれ。
全国屈指の「潮の実験場」、江戸川競艇場を徹底解剖
出典:当サイト作成
河川コースゆえの干満差、公式データでも明記
BOATRACEオフィシャルウェブサイトの「ボートレース場データ」ページ(江戸川競艇場)には、施設情報として「干満差 あり」と明記されている。
出典:BOATRACEオフィシャルウェブサイト「ボートレース場データ」(江戸川競艇場)
また、コース別勝率のページでも、江戸川については「河川を使っていて潮の干満が大きく影響する」と説明されている。
出典:BOATRACEオフィシャルウェブサイト「LEVEL.2 ボートレース場のコース別勝率」
全国24場のうち、河川を利用しているのは江戸川だけであり、公式サイトも別格の水面として扱っていることがうかがえる。
上げ潮・下げ潮、大潮・中潮・小潮とは何か
競艇専門メディアの解説によると、満潮に向かう時間帯は下流から上流へ水がのぼる「上げ潮」、干潮に向かう時間帯は上流から下流へ水がくだる「下げ潮」と呼ばれている。
潮位差は「大潮」が最も大きく、「中潮」「小潮(長潮・若潮)」の順に小さくなるとされ、東京湾では大潮の潮位差がおよそ2メートルにのぼると報告されている。
出典:競艇専門メディアの解説記事をもとに編集部整理
ただし、同じメディアも「江戸川は潮に加えて風の影響も重なるため、小潮だから影響が小さいとは一概に言えない」と注意を促しており、この点は断定を避けておく。
| 区分 | 基準値 |
|---|---|
| 風向き「強い」 | 風速5m以上 |
| 風向き「弱い」 | 風速5m未満 |
| 無風 | 風速0m |
| 潮回り「強い」(上げ潮・下げ潮) | 流速30cm以上 |
| 潮回り「弱い」(上げ潮・下げ潮) | 流速30cm未満 |
| 潮止まり | 流速0cm |
出典:ボートレース江戸川公式サイト「風向き 潮回り 舟券攻略ポイント」の基準表記をもとに編集部整理
風向き7区分(追い風強・追い風弱・向かい風強・向かい風弱・横風強・横風弱・無風)と、潮回り5区分(上げ潮強・上げ潮弱・下げ潮強・下げ潮弱・止まり)を掛け合わせると、条件は35パターンになる。
掛け合わせると35パターンにのぼる
江戸川競艇場はこの35パターンすべてに具体的な舟券攻略ポイントを公式サイトで用意しており、潮位と風向きの組み合わせに特化したコンテンツを持つ競艇場は珍しい。
【一覧】江戸川35パターンのうち、特に押さえておきたい条件
出典:当サイト作成
最も難しいとされる「追い風強・上げ潮強」
ボートレース江戸川公式サイトによると、追い風強・上げ潮強の条件では「風と潮の影響でスタートが勘よりも速くなるため、ダッシュを乗せたスタートを決めるのが非常に難しい」とされている。
1マークで握った選手はターンが流れやすいため内枠が有利になるが、インの旋回も膨れやすく、狙い目は「差し」が得意な選手だと説明されている。
出典:ボートレース江戸川公式サイト「風向き 潮回り 舟券攻略ポイント」
スタートと道中の旋回、両方の難易度が上がるため、江戸川を走り慣れた選手への注目が推奨されている。
全国一の難水面が牙を抜かれる「向かい風弱・下げ潮弱」
逆に、向かい風弱・下げ潮弱の条件は「全国一の難水面ということをほとんど意識せずに走れる絶好水面」だと説明されている。
この条件では選手個人の能力やモーターの仕上がり具合がそのままレース結果に反映されやすく、F持ちなど事故点の高い選手の評価を下げる舟券作戦が有効だとされている。
出典:ボートレース江戸川公式サイト「風向き 潮回り 舟券攻略ポイント」
「潮止まり」は江戸川では逆に珍しい条件
無風・潮止まりについては「南北に流れる河川をレースコースとして使用している江戸川においては、非常に稀な条件」だと説明されている。
この良水面なら基本的にインが強いとされる一方、航行船通過後は見た目以上に「うねり」が残りやすく、その場合は2・4コースからの差しが有効だとされている。
出典:ボートレース江戸川公式サイト「風向き 潮回り 舟券攻略ポイント」
追い風強+上げ潮強
スタート・ターンとも難易度が最大級に上がる条件。江戸川を走り慣れた当地巧者かどうかが結果を大きく左右する。
向かい風弱+下げ潮弱
全国一の難水面が牙を抜かれ、選手の技量とモーターの仕上がりがそのまま結果に出やすい条件。
出典:ボートレース江戸川公式サイト「風向き 潮回り 舟券攻略ポイント」をもとに編集部作成
江戸川の35パターン表は公式サイトのPDFでレースごとに更新される。
出走前にひと目チェックするだけで、その日の荒れやすさがかなり読めるようになるぞ。
桐生の赤城おろし、福岡のうねり――全国に広がる”クセ水面”
出典:当サイト作成
桐生は冬〜春の赤城おろしで一変する
桐生ボートレース場の公式ページには「冬〜春は『赤城おろし』と呼ばれる強風で水面が荒れることがある」と説明されている。
同じページには「夏場は穏やかな水面でまくりが効く」とも紹介されている。
出典:BOATRACEオフィシャルウェブサイト「桐生ボートレース場」ページ
コース別勝率のページでも、桐生については「冬場に『赤城おろし』という強風が吹く」と紹介されている。
出典:BOATRACEオフィシャルウェブサイト「LEVEL.2 ボートレース場のコース別勝率」
福岡は満潮時の那珂川河口がネックになる
福岡ボートレース場の公式ページには「海水に近い汽水」と説明されている。
同じページには「1マークは那珂川の河口に位置し、満潮時には、やや難水面になる」とも紹介されている。
出典:BOATRACEオフィシャルウェブサイト「福岡ボートレース場」ページ
コース別勝率のページでも、福岡については「第1ターンマークのうねりがレーサーを悩ませる」と紹介されている。
出典:BOATRACEオフィシャルウェブサイト「LEVEL.2 ボートレース場のコース別勝率」
浜名湖は季節で風向きが逆転する
浜名湖ボートレース場の公式ページには「冬は追い風、夏は向かい風だ」と説明されている。
「広大な競走水面でスピードが優先する」とも紹介されている。
「まくり差しが入りやすく、筋舟券が成立しにくい」とされており、季節によって有利コースの傾向が変わりやすい水面だと言える。
出典:BOATRACEオフィシャルウェブサイト「浜名湖ボートレース場」ページ
| 競艇場 | 特徴的な条件 | 影響 |
|---|---|---|
| 桐生 | 冬〜春の赤城おろし | 水面が荒れ、夏は逆に穏やかでまくりが効く |
| 福岡 | 満潮時の那珂川河口 | 1マークがやや難水面になる |
| 浜名湖 | 冬は追い風・夏は向かい風 | 季節で有利コースの傾向が入れ替わる |
| 江戸川 | 河川の干満差 | 上げ潮・下げ潮で流れの向きと強さが変わる |
出典:BOATRACEオフィシャルウェブサイト各競艇場公式ページをもとに編集部作成
“クセ”の正体は水質だけでは説明できない
桐生は淡水、浜名湖は汽水と水質は異なるが、どちらのクセも正体は水質ではなく地形と季節風にある。
すでに解説してある記事で算出した水質グループ別の平均イン勝率の差はわずか3ポイント程度にとどまっており、場ごとのクセを見るには水質分類より地形・気象条件のほうが実用的だと言える。
風速で勝率はどこまで変わるのか――媒体間で数値が食い違う理由
出典:当サイト作成
風速のボーダーラインは4m、5m、6m……媒体でバラバラ
競艇専門メディアの一つは「風速5m以上の風が吹くと平均勝率の約1割ダウンになる」と伝えている。
一方、別の競艇専門メディアは「風速4m以上でコース利が強くなる」と伝えている。
出典:競艇専門メディアの記事をもとに編集部整理
このように、どの風速から有利不利が崩れ始めるかは、媒体によって4mや5mと基準が異なっているのが実情だ。
向かい風で”ダッシュ勢”が伸びるという報告
ある競艇専門メディアは、風速6m以上の向かい風時、下関で4号艇の1着率が10.6%から38.4%に上昇したと報告している。
同じ報告では、大村でも4号艇の1着率が9.3%から17.3%に上昇したとされている。
出典:競艇専門メディアの記事をもとに編集部整理
ただし、この上昇幅がどの競艇場でも同じように再現されるとは限らず、あくまで一例として捉えたほうがいい。
複数の専門メディアを比較すると、風速の基準値も勝率の変化幅も、媒体ごとに異なる数字が並ぶ。
「風速◯mで勝率◯%変わる」は断定できない
江戸川競艇場公式サイトの35パターン表のように施行者自身が具体的な攻略ポイントを公開しているケースを除けば、「風速◯mで1コースの勝率が◯%下がる」という言い切りは慎重に受け止めたほうがいい。
試算してみた結果――風速5m以上で1コース勝率はどこまで沈むか
出典:当サイト作成
土台となる数値と前提条件
ここからは、すでに解説してある記事で算出したデータを土台に、風の影響を仮定計算してみる。
すでに解説してある記事の全国24競艇場の特徴とプールの違い一覧では、水質別の平均イン勝率を海水55.9%・汽水53.0%・淡水54.1%と編集部で算出している。
これを場数(海水10場・汽水5場・淡水9場)で重み付けして単純平均すると、全国24場全体の目安値はおよそ54.6%になる。
一方、前章で紹介した通り、ある競艇専門メディアは「風速5m以上で平均勝率の約1割ダウン」という比率を伝えている。
仮定計算の結果
この比率を全国平均の54.6%にそのまま当てはめると、風速5m以上の条件下では1コースの1着率がおよそ49.1%まで下がる計算になる。
| 条件 | 1コース1着率の目安 |
|---|---|
| 無風〜風速5m未満(基準値) | 約54.6% |
| 風速5m以上(「約1割ダウン」を当てはめた仮定計算) | 約49.1% |
出典:基準値は、すでに解説してある記事「全国24競艇場の特徴とプールの違い一覧」でkcbn.jp掲載データをもとに編集部が算出した数値、風速5m以上の下落率は競艇専門メディアの伝聞情報。いずれも実測値ではなく編集部独自の仮定計算
54.6%という基準値自体が水質別平均から編集部が算出した参考値であり、「約1割ダウン」という比率も単独メディアの伝聞にすぎない。
この試算はあくまで仮定計算だ
実際の勝率は競艇場・季節・当日のコンディションによって大きく変わるため、この数字を鵜呑みにせず「風が強いとコース有利不利の差が縮まりやすい」という傾向をつかむ参考値として扱ってほしい。
数字はあくまで目安だ。
当日の展示航走とスタート展示を自分の目で確認する作業は絶対に省略しないでくれ。
実際に潮位表を見てから舟券を検討してみた
出典:当サイト作成
ここからは、筆者が実際に潮位表と風向き情報を確認したうえで舟券を検討してみた体験を紹介する。
江戸川競艇場の出走表には各レースの潮回り・風向きが表示されており、レース直前の展示航走とあわせて確認することができる。
実際に潮位表を見比べてみると、同じ「上げ潮」でも流速が30cm以上あるかどうかで狙い目のコースが大きく変わることを実感した。
潮位や風向きのデータを丁寧に読み解く一方で、「今日の潮回りなら◯◯競艇場だけで的中率100%」といった根拠の薄い煽り文句で高額プランに誘導する予想サイトも存在すると報告されている。
そうした手口の見分け方は悪質な競艇予想サイトだと断定できるケースと騙された時の対処法で詳しく解説しているので、あわせて確認しておいてほしい。
潮位・風向きを味方につける3ステップ
出典:当サイト作成
出走表・公式データで「潮の影響を受ける場かどうか」を確認する
まずは対象の競艇場が海水・汽水など潮の影響を受けやすい水質か、公式のボートレース場データで「干満差」の有無を確認しておこう。
当日の風向き・風速と潮回りをレース直前にチェックする
江戸川であれば公式サイトの35パターン表、その他の場でも当日の風速・風向を出走表やライブ映像で確認し、当てはまる条件の傾向をつかんでおく。
展示航走・スタート展示で実際の水面状況を目で確認する
データ上の傾向はあくまで目安であり、当日の展示航走・スタート展示で選手の乗り方を実際に確認する作業が欠かせない。
予想を組み立てる際に意識しておきたいポイントは、以下の通りだ。
- 潮の影響を受ける場(海水・汽水)かどうかを事前に把握する
- 風向き・風速の基準は媒体によって差があることを踏まえ、複数の情報源を確認する
- 展示航走・スタート展示での答え合わせを欠かさない
潮位と風向きは、同じ競艇場・同じ選手であってもレース展開をまったく別物に変えてしまう動的な条件だ。
潮位・風向きは「水面のコンディション」を映す最大の変数
江戸川競艇場公式サイトが公開する35パターンの攻略表や、桐生の赤城おろし・福岡のうねりといった公式情報は、水質だけでは見えてこない場ごとのクセを教えてくれる一方で、「風速◯mで勝率◯%変わる」といった具体的すぎる数値は媒体間で食い違うことも多く、断定は禁物だ。
各競艇場のイン逃げ率の詳しいランキングは競艇の「イン逃げ」はなぜ強い?コース別勝率データで解説でまとめているので、あわせて読んでおいてほしい。
データはあくまで参考にとどめ、当日の展示航走で必ず答え合わせをする姿勢が、潮位・風向きを味方につける一番の近道だと言える。
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大切なのは「予想サイトを使うこと」ではなく、『無駄な舟券代を支払わないようにして回収率を100%を超える状況を作ること』だ。
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